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生命保険、生命保険会社を解説&比較。生命保険を選びやすく。

共済とは?共済と保険の違いを解説

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今回は保険を考える上でしばしば対比される共済について、保険との違いを見ていきたいと思います。


目次


共済とは

加入者でお金を出し合って、万一の時や病気や事故の時に、その当事者に経済的保障としてお金を渡す仕組みです。

日本共済協会で共済の定義が記載されていますので、抜粋します。

  1. 共済は、私たちの生活を脅かす様々な危険(死亡や入院、住宅災害、交通事故など)に対して、組合員があらかじめ一定の掛金を拠出して共同の財産を準備し、不測の事故が生じた場合に共済金を支払うことによって、組合員やその家族に生じる経済的な損失を補い、生活の安定をはかる助け合い(相互扶助)のしくみです。(日本共済協会*1、太字筆者)

定義は生命保険、損害保険とほとんど同じですが、説明の中に「組合員」とあり、共済は組合員が加入するものとされています。
ただし、組合によっては、組合員にならなくても共済に加入できたり、少額の出資金で組合員になれたりするため、組合員になることのハードルは高くありません。

なお、組合員で構成される組合(協同組合)とは、様々な事業を行う、営利を目的としない組織とされています。

どんな共済商品があるの?

火災共済、生命共済、傷害共済、自動車共済、年金共済があります。

当ブログでは、主に生命共済について見ていきます。
生命共済は、死亡や障害、病気、怪我、介護などに対する保障を提供する共済です。
生命保険でいう、死亡保険や医療保険、介護保険に対応するものです。

どんな共済団体があるの?

生命保険共済でよく目にするのは、JA共済、全労済(こくみん共済)、全国生協連(都道府県共済)、コープ共済ですね。
各共済の件数を見てみましょう(2018年3月末時点)。

団体名 契約件数 参考サイト
JA共済 2,180万件 *2
全国生協連 1,765万件 *3
全労済 1,324万件 *4
コープ共済 867万人 *5
合計 6,136万件 -

(注)コープ共済は、人数表記のためその通りにしています。合計は、人数も件数として合計しています。

1年古いデータですが、全共済団体の生命共済の件数は6,187万件(2017年3月末*6 )ということで、これらの4つの共済団体で生命共済のほとんどを占めていることがわかります。

ちなみに、生命保険各社の保有契約の合計は、1億6,772万件です(2017年3月末*7)。
生命保険会社は41社(2017年3月末)でこの件数ですから、平均すると410万件となります。
各共済団体の大きさがわかります(平均1,500万件)。

ちなみに、保有契約件数がもっとも多い日本生命は2,600万件(2018年3月末*8です。
共済団体で最大のJA共済(2,180万件)は、契約件数で見ると日本生命と近い水準です。

以下はこれら4大共済団体を中心に話を進めていきます。

共済団体と生命保険会社との違い

共済の運営母体は共済団体(協同組合)、生命保険の運営母体は生命保険会社です。
その運営母体の違いを見ていきます。

関係の深い法律

根拠法とは、「この法律に基づいて共済事業が行われていますよ」という法律のことです。
根拠法のもとで免許を受けて運営されています。

また、契約者の権利義務などは別途保険法で定められています。
根拠法は協同組合の運営側にとっては重要ですが、契約者側にとって重要なのは保険法となります。
契約者側の権利義務について、生命保険と基本的に違いはないことになります。

協同組合 根拠法 加入者の権利義務など
JA共済 農業共同組合法 保険法
全労済 消費生活協同組合法(生協法) 同上
都道府県民共済 同上 同上
コープ共済 同上 同上
生命保険 保険業法 同上
設立目的

もっとも根本的な違いは、最初に書いたように、組合(協同組合)とは、様々な事業を行う、営利を目的としない組織であるのに対し、生命保険会社はそうとは限らないということです。

保険株式会社は営利目的であり、共済とはそもそもの目的が異なります。
一方で、生命保険会社には相互会社という、営利を目的とせず、保険の契約者同士で相互扶助を行っていくための会社形態もあります。
協同組合の設立目的は、相互会社に近いです。

組織 目的
共済団体 組合員同士の相互扶助
保険相互会社 契約者(社員*9 )同士の相互扶助
保険株式会社 株主の利益
扱う商品

共済団体は、一つの団体の中で生命共済と火災共済など、いわゆる生命保険と損害保険の両方の商品を扱うことができます。生命保険会社では生命保険しか扱えません。

組織 目的
共済団体 生保系損保系の共済両方を扱える
生命保険会社 生命保険のみ扱える

生命共済と生命保険との違い

単純に生命共済、生命保険と言っても種類が多いため、簡単には比較できません。
商品によっては、共済と生命保険とほとんど区別がつかないものもあります。
ここでは、大きな違いを2点あげます。

使われる用語

共済で使われる用語は、保険で使われる用語と異なります。
この後の説明や、共済のパンフレットなどを見るときに理解しにくい場合がありますので、用語の違いを整理しておきます。

共済と保険とでは、以下のような用語の違いがあります。

保険 共済 意味
保険料 掛金 保険や共済に加入するために契約者が支払うお金
保険金 共済金 万一のとき(事故など)がおきた時に受取人が受け取るお金
契約者 契約者 保険や共済の契約者
被保険者 被共済者 保険や共済で、この人に病気や事故があるとお金が出る、その人
配当 割戻金 剰余金を加入者に払い戻すお金

その他、いろいろな用語で「保険」と「共済」が入れ替わります。

配当、割戻金の仕組みがあるかないか

共済には割戻金の仕組みがあります。
生命保険の場合、割り戻し(生命保険では配当と言います)の仕組みがある商品とない商品があります。

これは、運営母体の設立目的に沿ったものです。
共済は、組合員の相互扶助で成り立っていますので、集めた掛金から共済金を支払って将来の支払いのための積立てを行い、、残った剰余金を割戻金として組合員に戻す制度があります。

生命保険の有配当契約は、共済と同様契約者にお金を戻す仕組みです。
無配当契約はその仕組みはありません。
ただし、割り戻しのしくみがないから高いというわけではなく、基本的には無配当保険は有配当保険に比べ、保険料が安く設定されています。

商品 割り戻しの仕組みがあるか
共済 ある
保険相互会社の商品 ある商品が多い(有配当保険)
保険株式会社の商品 ある商品(有配当保険)とない商品(昔配当保険)がある

共済商品の種類、商品の特徴

共済によって異なりますが、共済の商品には概ね以下のような特徴があります。

死亡保険金の限度額が小さめ

商品によって異なりますが、共済の死亡保険金には1000万円〜3000万円の限度があります。
家族構成によりますが、子供がいる場合には、1000万円では保障が不足する可能性があります。

保障の内容や保険期間などが細かく決められない場合がある

共済によっては、死亡保障だけでなく色々な保障がつく、あるいは保険期間が固定されるなど、予め決まっている部分が多い場合があります。

その他、共済によって大きく異なるため、詳細では触れません。
別の記事でまとめたいと思います。

結局のところ、お得なのはどちらか

結局のところと書いておいてすみませんが、共済にも種類が多く、一概にどちらかがおすすめと断定できるものではありません。

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共済にも、生命保険と似た商品があります。
生命保険や医療保険を検討する際は、生命保険会社の保険と共済を並べてみるのがよいでしょう。


この記事では共済は「共済」と一括りにしていますが、共済団体ごとのカラーがあります。
別の記事で、各共済団体の特徴や取扱い商品を整理したいと思います。